2025年5月に入り、LINEユーザーの間で「突然ポリシーへの同意が強制された」「LINEが急に使えなくなった」という声が急増しています。実際、LINEアプリを起動すると「プライバシーポリシーへの同意」が求められ、「同意する」ボタンしか表示されず、他の選択肢が一切表示されないという状況が多くのユーザーにとって戸惑いを生んでいます。
これまでであれば、「あとで確認する」「今は同意しない」といった選択ができたのに、なぜいきなり同意が必須になったのでしょうか?この記事では、その背景にあるLINEとYahoo!の統合の動きや、LY Corporationによる方針変更、そしてこの同意を回避する方法があるのかどうかなど、疑問に思うポイントを分かりやすく整理して解説していきます。
ポリシー同意が必須になった理由
そもそも今回の「同意が強制になった」背景には、LINEとYahoo!の経営統合があります。2023年、両社はZホールディングスのもとで統合され、「LY Corporation(エルワイ・コーポレーション)」という新会社として再編されました。
この再編にともない、LINEとYahoo! JAPANの個人情報保護方針(プライバシーポリシー)も統合されることになりました。2024年ごろから徐々に新しいポリシーの適用が始まり、一部ユーザーには同意を求める画面が表示されていましたが、2025年5月に入って、すべてのユーザーに対して「同意が必須」というフェーズに移行したのです。
この対応は法令遵守(とくに個人情報保護法)や、サービス運営の透明性を保つためのものであり、企業側としてもユーザーの信頼を損なわないための措置と説明されています。
「同意する」しか表示されない仕様の意味
これまでは「同意しない」や「あとで確認する」など、ユーザーが一定期間は保留できる設計になっていました。しかし今回の仕様変更では、そのような選択肢が完全に削除され、「同意する」ボタンだけが強制的に表示されるようになっています。
これは、ユーザーの選択の自由を奪っているように見えるかもしれませんが、LY Corporationの立場としては「同意がなければサービスを提供できない」という姿勢を明確にしたものです。つまり、同意しない場合は、LINEそのものを使えなくなる(メッセージの送受信、通知、通話などすべての機能が利用不可)という重大な影響があります。
同意を回避する方法はある?
結論から言うと、現時点(2025年5月)では、プライバシーポリシーへの同意を完全に回避する公式な方法はありません。同意しない限り、LINEアプリの利用は事実上できない設計になっています。
一部では「旧バージョンのLINEをインストールする」「ブラウザでログインして使う」などの非公式な手段が噂されていますが、これらはセキュリティ面で危険があり、LINEの利用規約にも違反する可能性があるためおすすめできません。
どうしても同意できない場合は、LINEアカウントの利用停止・削除を検討し、代替となる連絡手段(SMS、メール、Discord、Instagramなど)を活用する必要があります。
ユーザーの反応と不安の声
SNSや掲示板では、今回の仕様変更に対して不満や不安の声が数多く投稿されています。
- 「突然の変更に驚いた。せめて数日前にアナウンスしてほしかった」
- 「同意したくないけど、友達との連絡手段がLINEしかないから仕方なく…」
- 「内容が複雑で読みづらいのに、強制的に同意させられるのは不信感しかない」
一方で、「企業としては当然の対応」「個人情報保護の観点では仕方ない」と一定の理解を示す意見もあり、受け止め方には差が見られます。
まとめ
LINEとYahoo!の統合によって始まったプライバシーポリシーの共通化は、単なる仕様変更ではなく、ユーザー一人ひとりの情報の扱いに関わる重要なテーマです。
確かに、強制的な同意画面には驚きや戸惑いがあるかもしれませんが、これを機に「自分の個人情報がどう使われているのか」に関心を持ち、規約内容をきちんと確認することが大切です。
サービスを使う・使わないの選択権は私たちユーザー側にあります。納得のいく形で判断し、自分にとって最も安心・便利なサービスを選び取ることが、これからのインターネット社会で求められるリテラシーです。